任意整理で気になるのは費用。やはり特定調停の方がいいのでは?

弁護士事務所に相談に訪れた明日太。

弁護士から借金の状況や収入・支出などのヒアリングを受けた後で借金問題の解決に提案されたのが任意整理。

任意整理って、どのような手続きで進むの?

催促は止まるの?

話しやすい雰囲気にも背中を押されて、自分のケースでの任意整理はどのように進むのか、さらに聞いてみることに…。

※紹介内容については最新の情報を更新して紹介するため、変更・加筆する場合があります。
※本ストーリーの構成は私自身の体験などを踏まえて紹介しています。
※基本的な提案までの流れを紹介しています。

特定調停よりも任意整理の方が月々の返済額は少ない?

知的さん
任意整理って、他の債務整理とはどんなところが違うのですか?
快答さん
任意整理というのは弁護士や国から認定を受けた司法書士が債権者である金融会社と交渉して借金の減額や返済方法などを決める借金整理方法なんです。特定調停や個人再生・自己破産が裁判所を介して手続きするのに対して、任意整理は裁判所を通さないので、官報に載ることがないんですよ。ちなみに特定調停も官報には乗りませんが…

 

知的さん
気になるのは費用ですよね。弁護士に相談って、すごく高くつきませんか?
快答さん
確かに他の債務整理と比べて、費用は掛かります。同じ利息制限法で引き直す特定調停は印紙代や郵券で済みますからね。任意整理だと件数にもよりますが、数十万円になることもありますから。

 

知的さん
それじゃ、その特定調停の方が安く解決できるかもしれませんね。
快答さん
特定調停は費用は安いけれど、裁判所に何度も足を運ぶ必要があるし、個人経営の金融会社だと、登記を取得しないといけなし、申立をしたとしても、裁判所が受理してくれるか未確定な部分もあるんですよ。申立までに借金の催促は続きますし、手続きに時間が掛かるデメリットはあります。

 

知的さん
そうなんですね。でも、それを差し引いても特定調停の方がお得な感じがするんですけど…。
快答さん
実際、債務整理の中で一番多く解決されている方法が任意整理なんです。理由は任意整理では過払い金が発生していれば、同時に返還請求ができますし、特定調停では調停後2~3年で返済することになるのですが、任意整理では最長5年・60回払いでの和解とすることも交渉次第ですが、可能なんですよ。

 

知的さん
特定調停では過払い金の返還請求ができないんですね。
快答さん
そうんなんです。もし、あったとしても別に請求の手続きが必要になりますし、経験談になるのですが「債務不存在」になるんですよ。

 

知的さん
せっかく過払い金が発生しているのに、もったいない話ですね。
快答さん
もう一つ、先ほどの返済期間の差も大きいですよね。最長60回なら余裕をもって返済も可能ですし、すべての金融会社が応じるかは別ですけど、費用の支払いもありますし、ラクになると思いますよ。

 

知的さん
そうですよね。費用の支払いを考えると、費用と返済のダブルの支払いになりますしね。

特定調停では催促が止まるまで時間が掛かるんですね。

快答さん
それに任意整理では相談後、正式に契約して、弁護士や認定の司法書士が債権者たる金融会社に受任通知を送付することで借金の返済が和解までの間ですけど、止まることになります。特定調停では申立までに時間も掛かるし、裁判所に行く手間もありますし、会社勤めだと休んで手続きすることになります。その手間も任意整理と特定調停を比較する上で大事ですよ。
知的さん
会社を休むことでバレる可能性もありますよね。

 

快答さん
理由はいろいろつければいいけど、返済をすぐにでも止めたいなら任意整理ですよね。明日太くんが相談でポイントを置いたのは「返済を止めること」でしたから。
知的さん
返済が止めると、少し気持ちも落ち着きますし、リセットの時間もできますよね。

 

快答さん
リセットの時間があれば、返済が止まれば、次の手が打てますから。それに返済が止まれば、今まで返済に充てていたお金、あるいは返済に予定したお金が残りますよね。和解までに時間も掛かりますし、最短で1~2ヵ月だとしても、その間のお金を弁護士や司法書士への費用に回すことも可能ですから。
知的さん
まとめると、こんな感じですか?●任意整理なら返済を早く止めることができる!●過払い金の返還も同時に行われるので大幅な減額も期待できる!●会社を休む必要がないので、時間的な負担が少ない!

過払い金が戻らなくても、利息カットでかなり減るんですね。

快答さん
そうですね。もちろん、任意整理にもデメリットはあります。元金の返済が残りますからね。しかし、将来かかる利息や遅延損害金をカットしてもらえるだけでも、かなりの減額が期待できるんですよ。
知的さん
利息をカットしてもらえるだけでも大きいですよね。もし、過払い金が発生していれば、もっと減らすこともできるし…。

 

快答さん
費用だけをみると、特定調停のメリットは大きいです。でも、いろんな視点からみること、また比較してみるといいですね。
知的さん
任意整理が借金の解決方法で一番多い理由が分かりました。費用は掛かるけれど、借金の減額とか、過払い金とか、返済期間とかいろんな目で比べてみることですね。

 

快答さん
また、明日太くんの言葉にあるように分からないことはどんどん聞くようにすること、十分納得した上で契約することが大事ですね。

特定調停との比較。借金を減らすなら任意整理が有利!?

前回の記事でも任意整理の返済期間について触れたのですが、特定調停と比較して紹介します。
ストーリー解説・債務整理(2)。ネットで弁護士事務所に相談

特定調停の魅力は費用が各段に安いこと。
数件の債務の整理であれば数千円程度で済むでしょう。

これに対して任意整理は同じ件数でも数十万円かかることがあります。
借金相談ができる認定司法書士に相談すれば、費用を安く抑えることも可能ですが、特定調停と比べれば費用は高いです。

そんな費用がかかる任意整理ですが、相談件数では特定調停よりも多いのも事実です。

その理由の一つが過払い金の返還請求を同時に行えること。
借金相談の多くが長年の取引で過払い金が発生していることが多く、返還金で債務を大幅に減額、あるいは戻ってくるお金の方が多いケースもあります。
だから、特定調停ではなく、任意整理を選ぶ方の方が多かったのですね。

では、過払い金がない=法定金利内で借り入れている債務の場合は特定調停の方がいいのでは?

確かに数十万円の費用をかけるなら、多少の手間はかかっても自力でも費用が少なく済む特定調停は有利です。
ボーナス払いのような一括請求分も、分割で返済することも可能です。

ポイントは特定調停は自力で、返済可能額も自分で裁判所に申し立てる必要があること。
経験談になるのですが、この返済可能額の決め方次第で申立が受理されるかも決まってきますし、多めに出すと、その8割ぐらいの金額で返済額が決まることが多いことです。
また、調停=判決と同じ効力を持ちますから、2回立て続けて返済を滞ると強制執行も容易になります。

もちろん、返済に遅れないことは任意整理も同じです。
ただし、違う点は任意整理の場合は返済用の口座を相談先の事務所で設けて、管理してもらい(口座管理費用が掛かります)、そこを通じて返済もできることで、和解後の返済窓口も事務所になり、間にワンクッション入ることの精神的負担の軽さがあります。
(連絡なし、理由もなく返済が遅れると辞任通知の送付=事務所が担当から下りることになるので注意を)

そして、何よりも特定調停との違いで大きいのは返済回数を相談できること。
特定調停の場合は早いもので2年、最長3年で返済期間が設定されます。
これに対して任意整理では最長60回・5年まで延ばすことも可能です。

というこは月あたりの返済を低く抑えることも可能になるんですね。

弁護士事務所では減額報酬を設定していることが多いのですが、これは利息制限法で引き直した減額分を対象にしていません。
交渉で減額できた金額に対して報酬がかかる仕組みになっています。

特定調停では取引履歴を精査することはありません。
申請内容に沿って進められるだけです。

交渉次第になるのですが、利息カットや取引履歴の精査、返済回数の相談などで月々の負担が減らせるのも任意整理で、ケースによっては特定調停よりも減額される金額が多くなることがあります。


   

債務整理の費用は複雑で分かりにくい!?

債務整理の費用は分かりにくい面が多いです。
例えば、
●着手金と初期費用
●基本報酬
●減額報酬アリとナシ
●過払い成功報酬
●事務手数料
●裁判費用
●口座管理費用

費用の算定も1件あたりを基本に、過払い成功報酬や減額報酬はパーセンテージで表示されますし、また基本報酬は着手後に掛かってきますが、減額報酬は交渉後に掛かる報酬で支払い時期も異なります。

●初期費用が無料というのは、今は手持ちがなくても0円で手続きに入ること。
●減額報酬は法定金利内の引き直しではなく、交渉による減額に掛かる報酬であること。
●着手金という言い方とは別に基本報酬で紹介されているが、これは同じで手続きの基本となるお金。
●相談料無料でも、何度も可能か確認。
●口座管理料は和解後、弁護士・司法書士を通して返済をするための専用口座で過払い金返還用に使われることもある。

事務所によって違いがありますので、費用の明細・支払い開始時期・分割可能回数などを聞くようにしてください。
費用は交渉結果によって変わることもありますが、基本報酬(着手金)や事務手数料は変わることがないベースとなる費用です。

知的さん
債務整理の費用って、いろんな名称があり、何がどうつくのか、どんな違いがあるのか分かりにくいですよね。
快答さん
そうですね。着手金というところがあれば、初期費用というところがありますし、減額報酬をとらないところ、とるところなど違いがありますね。
知的さん
減額報酬って、借金を減らすのに報酬が掛かってくるんですか?
快答さん
これには誤解もあるのですが、利息制限法こと法定金利内で引き直した分は含まれないんですよ。これって、本来、債務者の利益というか、法定金利で引き直したのは減額交渉でもなんでもないですよね。
知的さん
ということは、その法定金利内で引きな直した上に、交渉でさらに減額も可能になるんですね。
快答さん
交渉次第ですけどね。また、取引履歴の内容にもよりますが…。また弁護士は代理権に制限がないですし、あらゆる方法で交渉もできますよね。だから、基本報酬も高めと言えますけどね。