銀行カードローンが融資増加が自己破産増加の背景に。

銀行カードローンの貸付残高は4年間で1.6倍に急増。
16年末は約5.4兆円と、消費者金融など貸金業者(4・0兆円)を大きく上回った~

以上は朝日新聞デジタル4/3付で配信された記事の一文。
「自己破産13年ぶり増、銀行カードローン急増が背景か」の記事を参考に、より深く背景を取り上げ、まとめました。

Yahoo!のトップページにもおすすめカードはこれだ!とか。
運転免許証があればOKとか、また低金利で融資とかカードローンに関する情報が配信されていますよね。

その中には大手消費者金融のカードローンもありますが、いま利用者が増えているのが銀行カードローンです。

 

なぜ、銀行カードローンの利用が増えているのか。

それは保証会社の存在が大きいと思います。

実際、銀行カードローンを利用しているということは銀行から借りていると思いますよね。
でも、実際は借りているのは保証会社=消費者金融会社でもあるのです。

銀行カードローンの金利は消費者金融と比べると低めで、平均的な実質年利は14%台。
大手の消費者金融が18%前後ですので、その差4%ともあります。
※融資額・与信調査の結果で金利は変わることがあります。

ただ、金利が低くなるほど審査が厳しくなるので、融資対象が広い消費者金融に流れる傾向もありました。
では、なぜ消費者金融ではなく、銀行のカードローンに流れているのか。
そして自己破産が増えているのか。

13年ぶりという情報の通り、過払い金の返還で自己破産は減少傾向にありました。

それが、なぜ?

そこにはある法律の存在が関連しています。

総量規制の借入制限と収入証明書不要が拍車をかけた?

カードローンは総量規制によって大きく二つに分かれます。
ひとつは消費者金融と信販会社、もうひとつは銀行です。

この分かれ目となるのは貸金業法で縛られているかどうか。

前者の消費者金融や信販会社は貸金業法による融資、後者の銀行は銀行法などによる融資なので、同じカードローンでも法律がまったく違うのですね。

貸金業法が改正される前(2006年に改正、2010年に完全施行)は消費者金融や信販会社、クレジットカード会社は貸付残高を競う傾向もあり、自動契約機の登場などで過剰な融資も多くありました。

しかも、法定金利超で利息が高い。

その返済に追われ、厳しい取り立てなどが社会問題化する中で過剰融資を抑制する仕組みとして総量規制が導入され、以降、グレーゾーン金利の撤廃やみなし弁済につながりました。

CMで流れる過払い金の返還も、そうした法律の改正を受けたものです。
そうした総量規制の対象となるのは消費者金融や信販会社、そしてクレジットカードのキャッシング枠などで
年収の3分の1を超える融資はできない仕組みになっています。
(法第3条第1項)※1

これは自主規制ではなく、法律で決められた融資制限です。
一方で銀行は総量規制の対象ではないので年収の3分の1を超える融資も可能です。

カードローン情報の中でも「総量規制対象外」とか見かけるかと思います。

もうひとつ、銀行のカードローンの特長のひとつに「収入証明書不要」というのがあります。
この収入証明書というのは魅力です。

というのも、消費者金融では貸金業法で限度額が50万円を超える場合と他社と合わせて貸付残高が100万円を超えると収入証明書が必要になるからです。
(法第13条第3項)※2

 

「300万円までなら、収入証明書は不要です」

 

これって借りる側かすると大きな魅力です。

書類を揃えるのは面倒くさいし、だいいち収入証明書を提出することで融資の幅が限られてしまう。
300万円の融資まで不要というのは、うまくいけば自己申告だけで通ることもある訳ですから。

融資に対して、どこまでチェックしているのか各社まちまちですし、多少、甘いところもあると思います。

銀行のカードローンは、ぜんぜん低金利ではない!

住宅ローンが1%台、自動車ローンが2~3%台と目的ローンの多くは実質年利は1桁です。

もちろん、融資金額が違いますし比較にならないかもしれませんが、銀行カードローンの14%台は高金利の部類に入ります。

消費者金融と比べると低い訳ですが、比較対象が高金利のカードローンですから、低くみえますよね。

でも、14%台はまだまだ高金利です。
3%~という表示は最大の融資額を受けられる方のみ、多くは10%超です。

消費者金融の返済額と比べると月々の返済額は少ないのですが、ローン全体からみえる、銀行カードローンのようなフリーローンは金利は高めですし、消費者金融と同じくリボ払いですので、毎月定額で使いやすいといっても、元金返済分は少なく、自ずと返済期間は長くなります。

また、一部の金融機関では専業主婦も対象にしていますが、これも消費者金融ではできない融資です。

というのも「収入がない人への融資」ができないのが基本ですから。

パートなど継続した収入がある方であれば消費者金融から借りることもできますが、収入がない方への融資は
信販会社を含めてできない仕組みになっています。

それができるのが総量規制対象外のカードローン。
一部ですが、ネットで検索すれば情報が出てくるのをみると需要が高いのも分かります。

※1・2の参照元:日本貸金業協会の「貸金業法について」
※貸金業法の例外項目:配偶者の収入と合わせて年収の3分の1以内の融資も可能。(施行規則第10条の23第1項各号)

銀行カードローンの債務整理は自己破産しかない?

初めに自己破産が増えている背景に総量規制の対象ではない銀行のカードローンの利用があることを紹介しましたが、自己破産しか選択肢がないことはありません。

債務額によりますし、自己破産というのは弁済不可能と裁判所が判断した場合です。

消費者金融や信販会社・クレジットカードのキャッシング枠と同じように任意整理によって将来利息をカットして減額することは可能です。

 

では、なぜ自己破産が増えているのか。

配信されているニュースからはみえてきませんが、こうしたことも理由にあると思います。

●消費者金融が限度額50万円が基本であるのに対して、高額融資も可能なことも。
●銀行カードローンが銀行から借りているという安心感がある?
●返済能力を行っているのは保証会社=消費者金融であり、万一、返済不能になった場合も銀行は被ることなく、ゆえに過剰な貸し出しにつながっている?
●消費者金融が加盟するJICCと、クレジットカード会社・信販会社などが加盟するCICにはFINEという利用者の借入残高を把握できるFINEというネットワークがあるが、機能していない?あるいは銀行カードローンの借入は外れている?

返済実績によっては総額もありますから、銀行カードローンを利用している方の債務は、消費者金融からの借入による債務と比べて高い傾向にある、これも自己破産の増加の一因だと思います。

念押しですが、銀行カードローンは低金利ではありません。

フリーローンの中でも低めにあるだけ。
下限金利は最大の融資を受けた場合で、多くのケースは14%台、あるいは10%前半の金利だと思われます。

融資額が大きければ、返済額も多い。

利息が消費者金融などと比べれば少ないだけで、トータルの総返済額でみると、決して借りやすいローンではありません。

銀行カードローンの整理は自己破産以外の方法がとれることも。

債務額や収入により、破産を避けられることもあります。