最高裁の判断で司法書士の借金業務の範囲は狭くなる?

債務140万円の壁は債務整理において弁護士に相談するか、それても司法書士かで選択の分かれる大きなポイントです。

特に費用面では司法書士が安いので、できるなら司法書士で解決されたい方も多いかと思います。

今回は2016年6月末に出された最高裁の判例を元に「こんな借金の場合は」でまとめたいと思います。

ポイントは「個別の債務額」。

最高裁の判断が出るまでは個別の債務額でも引き直しによる経済的利益が140万円を超えない範囲が司法書士(日司連)の解釈でした。

これが個別の債務にと明確な基準が出されたのが最高裁の判断です。

となると、借金が140万円を超えると司法書士では相談できない?

そうではないのです。

キーポイントは「個別」です。
任意整理は金融会社ごとに個別の交渉となるので、その債務が140万円を超えない範囲であれば、司法書士でも代理、相談できるということになります。

消費者金融で100万円を超える債務は稀だと思います。
大抵は限度額50万円以下のことが多いので、多くのケースで当てはまると思います。
総額ではないところがポイントですね。

ただし、引き直しによる経済的利益ではなく、厳密な債務額によるところになるので、過払い金の返還請求で長期の取引があり、140万円を超える過払い金が発生している場合では、司法書士は代理範囲を超えることになります。

140万円に利息を含めた額?

債務が140万円でも、それは利息を加えたものか、それとも元本かでも代理範囲は変わってきます。
厳密な債務による引き直しということなので、利息を差し引いた債務ということになります。

債務の正確な金額などが分からない場合は専門家に相談してみると良いでしょう。
司法書士での相談でもOKです。

特に過払い金の場合は長期の取引ほど多くの金額が発生していますが、取引履歴を精査してみないと140万円を超えるかどうかわからないことが多いです。

合併で会社が変わった場合は要注意。

例えば、こんな例がありますよね。

プロミスとポケットバンク(三洋信販)の例。
別々の会社ですが、プロミスが三洋信販(アットローンも)を吸収合併していますので、プロミスが窓口になります。

ということは2社で過払い金の総額が140万円を超えるケースも出てくる訳で、この場合は司法書士の代理範囲を超えることも考えられます。

また、信販会社でもセディナを一例に挙げるとOMCカード、セントラルファイナンス、クオークの3社が合併していますので、それぞれの会社で過去に取引があり、過払い金が発生している場合も、過払い金の額によっては
代理範囲の関係が関わってきます。
また、信販会社の場合はクレジットカードやショッピングローンの債務が140万円を超えるケースもあるので、
この場合も該当してくると思います。

合併によって窓口がひとつになっている場合は個々の債務や過払い金の返還請求額によって代理範囲が変わってきますが、多くのケースで司法書士でも可能です。

ただし、以前のような「経済的利益」によるものでなくなるので、少し業務範囲は狭まってくるかと思いますが…。

また、司法書士事務所での相談の場合、弁護士事務所と連携しているところもあり、弁護士に直接依頼するよりも安くつく場合もあります。